・《Fanfara e Allegro (2018)》for Woodwind Quartet-7分
本作品は、2018年に Sapporo Kreis Quartet の委嘱により書いた。フレンチ・ホルンの入る一般の木管五重奏とは違い、木管四重奏は中音域の声部を補充するに足る編成ではない事を意識し、あえて楽器同士の音域を広げて空間性を出してみた。形式は題名の通り、ファンファーレとアレグロの二部からなり、最初に提示されるファンファーレの動機が循環主題として様々な形でアレグロのパートにて変奏される。
・《Sonata on a Theme by Shostakovich (2016 – 2019)》 for Solo piano-7分
本作品は2016年、ピアニストの江崎昭汰氏に委嘱された。残念ながら諸事情により本人の演奏は叶わなかったが、今回の個展にあわせて一楽章を大幅に改訂し初演する事となった。本作品はショスタコーヴィチの動機(D Es C H)音形の原形、反行形、逆行形、逆反行系が夫々の楽章に用いられている。形式としては19世紀のピアノ書法に準じ、ソナタ形式の一楽章、それに続く緩徐楽章、三部形式のメヌエット、ロンド・ソナタ形式の最終楽章からなる。
・《Lady Banks Rose (2016)》for Female Voice and Piano, with lyrics by Satoko Kawakami-6分
作者唯一の歌曲であり、日本語テキストを用いた唯一の作品である。本作品は川上智子氏のテキストにいかにアプローチするかが大きな課題であった。作者は、テキストの流麗さを出来るだけ純粋に表象するべく、あえて20世紀初頭の様式で書いてみた。本作品は小松原利枝(ソプラノ)、母の水谷稚佳子(ピアノ)の歌唱、演奏により、ナミ・レコード様よりCD化された。
ープログラムより抜粋ー